愛され、囲われ、堕ちていく
凪沙が目を覚ますと、ベットに寝かされていた。
服は着替えさせられていて、伊織はいなかった。

「伊織…?」
ゆっくり起き上がって、寝室を出た。
するとちょうど、風呂場から伊織が頭を拭きながら出てきた。
「凪?目、覚めたんだ?ごめんね…頭冷やそうと思って、シャワー浴びてたんだ。
でも残念…!寝顔、見たかったのになぁ……(笑)」
「伊織?」
「ん?」
「伊織…だよね?」
「伊織じゃなかったら、誰なの(笑)?」
いつもの優しい伊織の笑顔。

「……って…え…?凪…?」
急に泣き出した、凪沙。
「さっきの伊織…ほんとに怖かったから……」
「ごめんね…もう大丈夫だから。ちゃんと頭冷やしてきたし」
そう言って、包み込むように抱き締めた。
「うー伊織ぃ…」
「ごめんね…」
「伊織」
「ん?」
「お腹空いたね」
「食ってないの?同窓会で」
「あんまり食べてないよ」
「じゃあ…なんか食いに行く?俺、料理できないし」
「うーん。家で二人で食べたいな…」
「フフ…じゃあ、デリバリー頼む?」
「うん!」

食事をして、ベットに座っている二人。
「伊織、刺青見せて?」
「うん」
伊織が凪沙に背を向ける。
「この刺青…なんか綺麗だね……」
「そう?ありがと!」
伊織の背中に額をくっつけた凪沙。
「凪?」
「もう…ちゃんと伊織の言うこと聞くから、今回みたいなことやめて!お願い……」
「わかった…」
「約束ね……!」

「うん…
大丈夫。凪が俺から放れなければ、俺は可愛い伊織のままだよ!」
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