愛され、囲われ、堕ちていく

憤激

飲み会も、中盤にさしかかった頃。

ガンガンガン━━━━！！
｢なんだ！？｣
急に扉が物凄い勢いで、叩かれた。
｢え？何！？
伊織……｣
思わず伊織の服を掴む、凪沙。
｢大丈夫。凪はここにいて？
敬太！｣
｢おぅ｣
敬太が扉の方に向かう。

扉を開けた瞬間、バイクに乗った男達が突っ込んできた。
｢なんだよ！？お前等……！｣
バイクを吹かす音が響く中、男達がバイクから降り伊織がいる方へ歩いてくる。
｢聖道 伊織！
殺ろうぜ！｣
｢誰？お前｣
｢浅野 一政｣
｢プッ…浅野 長政みたい(笑)｣
臣平がバカにしたように笑う。
｢ほんとだぁ(笑)一文字違いだぁ。
でも、笑ったら浅野 長政に失礼じゃね？｣
他の仲間達も笑っている。

ガン━━━━！！
一政が近くの壁を殴った。
｢キャァァ━━！｣
その音に凪沙が震える。

｢殺るのか、殺んねぇのかはっきりしろ！？｣
｢殺んねぇよ｣
｢あ？｣
｢凪の前では殺んねぇよ。
早く、消えろ！！｣
｢フッ…同窓会の会場、めちゃくちゃにしたやつがよく言うよ…！｣
｢あ？｣
｢あ、そうか！愛しの凪沙ちゃんをお前から放せばいいんだったな！｣
｢━━━━━！！！｣

｢てか、なんでお前この場所知ってんだ。
凪ちゃんが嫁っつうことも、仲間内しか知らないはずなのに……｣
臣平が一政に問いかける。

｢そんなの、簡単だろ！？
お前等の中に、裏切り者がいるんだよ！！｣

｢は━━━━？｣
HPのみんながお互いを見合わせる。