愛され、囲われ、堕ちていく
浄化
臣平の部下に自宅まで送ってもらった二人。

「凪、一緒に風呂入ろ?」
そして今は、浴槽に伊織が凪沙を後ろから抱き締めて、浸かっている。

「ごめんね…また、怖がらせたね……」
「ううん。覚悟は…してるつもりだから」
「ん?覚悟?」
凪沙は、伊織の後ろから回ってきている両手を握った。
「伊織はそうゆう世界にいるんだから、この手が人を傷つけることもある。
仲間を守る為に……」
「うん…そうだね」
すると凪沙は、手を離して今度は伊織に向かい合うように跨がり座り直した。

「伊織…キスしよ…?」
「うん…」
「ンンン……」
「凪、エッロい顔……」
「伊織も、色っぽいよ…」
「だって、エロいことしたいもん!」
「フフ…」
「綺麗な凪で、浄化してよ…!」
「え…?」

まただ……
また、裕隆と重なる。
【今日、伊織についてって喧嘩してきたんだ。
だから、純粋で綺麗な凪で浄化させて?】
と言っていた。

「凪?」
凪沙は頭をブルブルと振って、
「うん、愛し合おう」
と伊織にキスをした。

「凪…綺麗……」
ベットに移動して、伊織に組み敷かれる凪沙。
「なんで…?」
「ん?」
「なんで、伊織は裕くんと同じこと言うの?」
「は?」
「時々、伊織が裕くんと同じこと言うからかぶるの。
裕くんはもういないのに、今好きなのは伊織なのに、時々わからなくなる」
「やめろよ!!」
「………伊織…?」
「裕隆と一緒にするな!
俺は裕隆とは違う!!」
「え……伊…織?」
「俺は裕隆と違って、凪を手放したりしない。
死ぬ時は、凪も連れてく!」

「伊織は…裕くんが嫌いなの…?」
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