愛され、囲われ、堕ちていく
「ん。サンキュ。とりあえず今日は、これでギリギリまで我慢するから」
「うん」
「その代わり……」
「え…?」
「凪が、俺を癒してね…?
煙草なんか吸わなくていいように……!」
そう言って、キスをした。
今日はいつもより煙草の苦味が強い気がした、凪沙だった。

その日の午後。
二人でソファーに座ってゆっくりしていると、
~~~~~~!
伊織のスマホの着信音が鳴った。
「臣平?」
『伊織、パパが呼んでる。敬太と実家に来い!』
「え~!やだ」
『はぁぁ?ここんとこ、ずっと凪ちゃんといさせてやっただろ?ワガママ言うな!ガキ!!』
「チッ…!わかったよ…」
通話を切った、伊織。

「伊織?」
「凪~じじぃに呼ばれたから、ちょっと行ってくる。
留守番しててね!」
「うん、わかった」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「今度のパーティーだが、臣平が行けなくてな。
代わりに凪沙くんと行って来てくれ!」
「は?やだよ!しかも、凪を晒すなんてもっとあり得ねぇ…!」
「いつも自由にしてやってんだ。
たまには俺の言うことを聞け!
それとも、マンション引き払ってここに越すか?
毎日、臣平と一緒に仕事させるぞ!
お前は将来…パパになるんだから」
「………じじぃ…殺るぞ…」
「ほぅ…!殺れるもんなら、殺れよ!
そうなれば、もうお前のパパは確実だな」
「チッ…!わかった……その代わり…パーティーとやらがどうなっても知らねぇぞ…!」
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