愛され、囲われ、堕ちていく

その頃の凪沙。
｢一人かぁ…久しぶりだな｣
あまり食べる気になれず、簡単に夕食を済ませ、なんとなくTVを見て過ごす。

～～～～～～～！！
｢ん？伊織？メール？｣

【今日は飯、一緒できなくてごめんな！
今からそっちに環奈ちゃん達が行くから、俺が帰ってくるまで相手してて？】

｢………？
環奈…ちゃん？あ、確かファンクラブの子か！
家に？なんか…伊織らしくない……
まぁいいか！伊織がいいなら｣
伊織に“わかった”と返信し、コーヒー等を準備しだした。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
そしてまた、誰にもわからないようにスマホを元の位置に置いた環奈。
｢私達お邪魔みたいなんで、やっぱり帰りますね！｣
そう言って、建物を出たのだった。

｢環奈、どうだった？｣
｢うん！なんとかメール送った！とにかく、伊織様が帰ってくる前に行くよ！｣
そう言って、伊織のマンションに足早に向かったのだった。

｢凄いマンション……｣
そして、伊織のタワマン前。
見上げる、環奈達。
｢一番上、見えないね……｣
｢てか、ここの最上階だよね。伊織様の自宅｣
｢うん、やっぱ凄っ！
とにかく、行こ！｣

インターフォンを鳴らすと、凪沙が出た。
｢はい｣
｢あの私、安東 環奈って言います。
伊織様から聞いてると思うんですが………｣
｢あ、はい！聞いてますよ。どうぞ！｣
オートロックが開き、エレベーターホールに入る。
エレベーターに乗り、最上階まで上がった。