愛され、囲われ、堕ちていく
環奈は用を済ませ、トイレを出た。
リビングダイニングに戻ろうとして、ふとベットルームが開いてるのに気づく。

吸い寄せられるように、中に入る。
ここで伊織と凪沙が………
そんなことを考えると、また言い様のない嫉妬心が顔を出す。
ベット横のリクライニングソファーに、無造作に掛かっている伊織の物らしきパーカーを見つけた。
思わず取って、抱き締めた環奈。

「環奈…さん?」
「はっ!ご、ごめんなさい!」
「ここに入るのはやめてください。
寝室なので……」
「………」
「それ…伊織のパーカー……
そんなに、伊織のこと……」
「………なんであんたなの…?」
「え…?」
「30前のただの何の取り柄もない女じゃん!
どうやって伊織様に、取り入ったの?」
凪沙に掴みかかる、環奈。
「だから、ほんとにそんなんじゃ……」

「何…やってんだよ……!?」
「あ…伊織様、これは……」
「そんなに見たいの?俺等が愛し合うとこ」
「え━━━━?」
伊織はそう言うと、凪沙を引っ張りベットに押し倒した。
「ちょっ…伊織!離して!!」
凪沙を組み敷き、頬をなぞる。
「コイツに見せてやろうよ…俺達がいつもどんな風に愛し合ってるか」
そして口唇をなぞり、そのまま塞いだ。
「ンンン……」
伊織の口唇が首や鎖骨に下りてくる。
「や…伊、織…んん…」
凪沙は自分の口を手で塞ぐ。

「凪…手ぇ、退けて…
可愛い声…聞かせて…?」
伊織が凪沙の手を掴んでベットに押さえつけ、指を絡ませた。
「伊織……お願…ほんとに、嫌…」
凪沙の涙目で懇願する姿が、益々伊織を煽る。

「凪…それ、ヤバい……止まんねぇ……」
< 40 / 51 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop