愛され、囲われ、堕ちていく
「あ、顔が赤くなった…可愛い~」
俯いた凪沙の顔を覗き込んで、言った。
「伊織の方こそ、可愛いよ。それにカッコいいし」
「ほんと?」
「うん…私にはもったいない位」
「そんなことない。俺達はお似合いなんだから。
俺の隣は凪しか、似合わないよ…!」
「そうかな…///」
「あ…また…赤くなった。
なんで、そんな…可愛いの…?」
「え━━━━伊織…?
ンンン……」
伊織の顔が近づき、口唇が重なった。

「好き…凪……」
「私…も」
「ちゃんと言って?」
「好き…」
「ほんとに…?」
「伊織が好きだよ…」

伊織は思う。
凪沙は、どう思うんだろう。
もし裕隆を殺した人間が、今目の前にいる伊織だということを知ったら━━━━━

それでも“伊織の方が好き”と言ってくれるのだろうか。

「俺はきっと……好きすぎるよ…言葉では表現できない…
俺はね、裕隆みたいに凪を置いて死んだりしないよ。
絶対放さないし、例え死ぬ時でも一緒に連れてくから。一緒に二人だけで、堕ちようね…!」

だって、大切な親友の裕隆を殺してまで手に入れた女なんだから━━━━━


買い物中も凪沙にべったりな、伊織。
「あ!凪、これ食いたい」
「うん、入れて」
「今日、何食べたい?」
「んー、凪」
「へ?」
「凪」
「/////そうじゃなくて…!」
「フフ…カレー食いたい!」
「もう///カレーね!」
「でも、当然凪も食うからね!」
「/////」
「今日は凪、赤くなってばっかだね…!」
< 9 / 51 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop