君はどんな味がする？

「次はスープか……」

使用人たちをチラリと見てアルフレッドが呟くと、「何の話？」とエマが首を傾げる。

「何でもないよ」

アルフレッドはそう微笑み、エマの口についたブリオッシュのカケラを取り、それを口に入れた。

それから数日後、スープの具材となるべき人間はすぐに見つかった。使用人のピーターだ。彼は二ヶ月ほど前からこの屋敷で働き始めたばかりで、前職ではパン屋で働いていたと言っていた。

「エマみたいに太っているからな、きっと肉は食べごたえがあるに決まってる」

先輩と共に洗濯をするピーターを見て、アルフレッドはペロリと唇を舌で舐めた。



「あの、お話とは何でしょうか？」

三日後の夜中、アルフレッドは昼間にピーターに夜中に部屋に来るよう書いたメモを手渡し、ワインを用意して待っていた。指定した時間ぴったりにピーターは緊張した様子で現れ、アルフレッドは「そんなに固くならなくていいよ」と笑顔を浮かべた。