君はどんな味がする?
メインディッシュ
食前酒、前菜、スープときたら次に食べるべきはメインディッシュだ。

「最近、屋敷の使用人さんたちがいなくなってるよね……。怖い……」

ある夜、泊まりに来たエマが寝る前にアルフレッドに抱き着いて言った。アルフレッドは胸を高鳴らせながらエマの明るい髪を撫でる。

「大丈夫だよ、警備も増やしたんだから泥棒だって殺し屋だって屋敷の敷地内に入らない。安心して眠って?」

「……うん。もう夜中に厨房に行かない。部屋にいる」

エマとキスを交わした後、アルフレッドは自室に座ってメインディッシュに相応しい人物は誰かを考える。食前酒は純潔の女性、前菜は生まれたばかりの赤子、スープは太った壮年の男だった。

「メインディッシュになるなら、やっぱり歯ごたえのある肉の持ち主がいいな」

アルフレッドはそう呟き、引き出しを開ける。引き出しの中にはこの屋敷で働いている使用人のリストが入っている。

パラパラとリストをめくっていくと、何人ものメインディッシュ候補がいた。
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