君はどんな味がする？
デザート
コース料理の最後を彩るのはやはりデザートだろう。華やかな料理の後に訪れる甘い味は多くの人を虜にする。

アルフレッドの中で、デザートにするべき人間はもう最初から見つかっていた。それは、アルフレッドの前でティラミスを頬張っているエマだ。

「ん〜、おいしい！」

幸せそうに笑うエマを見つめ、アルフレッドは「夕食は何が食べたい？」と訊ねる。するとすぐにエマは「ミルフィーユ！」と返した。

ミルフィーユはスイーツで食べるとしてもデザートだろう。しかし、アルフレッドは「わかった。シェフに伝えとく」と突っ込まずに言った。

エマは生まれてからずっと、甘いスイーツ以外を口にしたことがない。スイーツしか食べられないのだ。甘いものしか食べないため、健康状態を多くの人が気にしているが、エマはこれまで病気一つしたことがない。

「きっと甘いんだろうな、エマの肉は……」

エマの肉の味を想像し、ペロリとアルフレッドは舌なめずりをする。早くエマの肉を食べたい、それしかアルフレッドの頭にはなかった。
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