君はどんな味がする?
しかし、ラートリー家の人間という立場上、「ゲテモノ料理を作ってくれ」などシェフに頼めるわけがない。そのため、アルフレッドは使われていない屋敷の敷地内にある小屋の中に調理器具を持ち込み、ゲテモノ料理を自分で作るようになったのだ。

虫を捕まえて油で揚げたり、動物の内臓を発酵させたり、ゲテモノ料理の開発を行い、アルフレッドはそれらを迷うことなく平らげた。その時、どんなシェフの料理よりもおいしいと感じてしまったのだ。

(今日はもういらないな……。ゲテモノ料理を早く食べたい)

アルフレッドはフォークとナイフを置き、近くに立っている使用人のコニーに「もうお腹いっぱいだから下げて」と言う。コニーは「かしこまりました」と頭を下げ、アルフレッドに近付いてきた。

「私が甘いもの以外も食べれる体だったら食べてあげるのにな〜」

エマのその言葉を無視し、アルフレッドはメインディッシュの皿が下げられていくのを見る。その時、コニーの手に包帯が巻かれていることに気付いた。
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