君はどんな味がする？

エマは夜中にこっそり厨房に置かれた甘いものを食べに来ることがある。一回や二回の話ではないため、アルフレッドは不安になったことを後悔していた。……エマの体を見るまでは。

「……アル、私、私ね……」

エマは体をアルフレッドに押し付け、体を震わせる。アルフレッドはエマを落ち着かせるため、エマを抱き締める。その時、ぬるりとした何かが付着していることに気付いた。

「エマ？」

アルフレッドがろうそくでエマを照らすと、エマの体にはあちこちに血が飛び散っている。白いネグリジェは赤く染まっていた。

「……ごめんなさい、私の血じゃないの……」

エマは厨房の床を指差す。アルフレッドがろうそくを向けると、床には血だらけのコニーが倒れていた。左胸に包丁が突き刺さっており、もうすでに息絶えている。

「アイスを食べてたら後ろから声をかけられて、びっくりして包丁で刺しちゃったの……。本当にごめんなさい……」