君はどんな味がする?
エマがアルフレッドの後ろで何があったのか話す。しかし、アルフレッドはエマの言葉など聞いていなかった。ただ、コニーの体から流れる血を見つめていた。

赤く、まだ新鮮な血。これほどきっとおいしい飲み物はない。アルフレッドの口の中に唾液が溜まっていき、欲を抑えられなくなっていく。

「エマ、君は何もしていない。君はずっと部屋にいて眠っていた。いいね?」

アルフレッドはそう言い、エマに部屋に戻るように指示をする。そしてアルフレッドはコニーの遺体を始末するため、コニーのまだ温かい体に触れる。アルフレッドの手に赤い血が付着した。

「おいしそう……」

アルフレッドはその血をペロリと舐める。そして、その体は雷が落ちたようにびくりと震えた。甘く、それでいて深みがある味が口に広がっていく。

「コニーの血、おいしいな……」

コニーは男性経験がないまだ十代の女性だった。キスの味すら知らない純潔な女性の血は、とてもおいしい。

「本で読んだことがあるな。愛しているからこそ、自身の体に食べることによって取り込むことがいいって……」

欲望を止める枷は無くなった。アルフレッドはワイングラスに酒を飲むかのようにコニーの血を入れ、楽しんだ。
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