【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
 キャロルにとって、レオンの幸せこそ全て。
 レオンに好きな人がいるなら、周囲の期待なんか跳ね飛ばして、必ずや彼にしあわせな結婚をさせてみせる。

 となりの部屋から物音が聞こえた。
 キャロルは、ストールを羽織ってベッドから下り、扉に耳をあてた。
 分厚い板ごしなので幾分くぐもっているが、レオンと侍従の会話が聞こえてくる。

『――そういえば、キャロル様から殿下へ差し入れがありましたよ。公爵家の伝手で手に入れた、体調を整えるハーブだそうです。たいそう香りが良い白い小花で、寝る前にとると翌朝はすっきり起きられるのだとか。水差しに浮かべておきました』

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