【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
「ええ、存じております。レオン様は、小さな頃からわたくしを大切にしてくださいました。政略結婚相手にご立派でしたわ。けれど、これからはご自分の気持ちに素直になってくださいませ。わたくしは、レオン様に幸せになっていただきたいのです」

「キャロル……。君は、俺がきらい?」

 悲しそうに問いかけられて、キャロルは振り返った。
 風に巻き上がる金糸のように煌びやかな髪や、潤んだ水色の瞳をようする甘い顔立ちを目にすると、ほっくりと心が温まる。
 たとえ頭のうえに『∞』が浮かんでいても、この気持ちに嘘はつけない。

「わたくしが、レオン様を嫌いになるはずがありませんわ」
 
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