【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
 キャロルは、薔薇を避けるように、ひょいっと寝台から立ち上がった。

「今のままではいけません。もっと姑息に、優雅に、レオン様の裏をかかなければ!」

 そして、例のカーテンに向けて突進していく。

「レオン様のお好きな方、暴かせていただきますわ!!」

 カーテンを左右に開いて小部屋に飛び込む。

 小部屋と呼ぶにぴったりの広さで、レオンの支度部屋の半分ほどの大きさだった。
 三方を壁にかこまれた閉塞感のある空間に、銅像や絵が並んでいるようだ。
 ようだ、というのは、ランプを持ってこなかったのでうす暗く、良く見えなかったのである。

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