【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
 秘密の小部屋は、レオンが一人で大切にしたいものを仕舞い込んだ、宝石箱のような場所だったのだ。
 いくら好きな女性を暴くためとはいえ、キャロルが土足で踏み込んではならない。

「そうとは知らずに、失礼いたしました」
「いいんだよ。君は何も見なかったんだから」

 キャロルに微笑みかけたレオンは、ぽそりと呟いた。

「…………あれを見られたら、さすがに嫌われるだろうしね…………」
「え?」
「何でもないよ」

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