【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
 パトリックが勢いよく飛びついたので、レオンは落ち着かせるように、背を何度も撫でる。その手つきは、とても優しい。レオンが幼い頃からいっしょにいる、兄弟のような子だからだ。

「すまないが、今日のお出かけはなしだよ。キャロルとの十二夜の間は、我慢しておくれ」

 気持ちが伝わったのか、パトリックはキュンと喉を鳴らして、頭を垂れた。
 レオンも残念そうだ。愛犬家の集まりというのは、さぞ楽しいのだろう。

(王太子が城下に住む人々と触れあえる、ぜっこうの機会ですものね。……んんん?)

< 132 / 367 >

この作品をシェア

pagetop