【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
 その日の午後、庭のはしにあるパトリックが暮らす犬小屋に、軍手をはめたキャロルの姿はあった。

 仲良くなった庭師に「実家から送られてきた球根を植えたい」と告げて、庭いじり用のシャツとサロペットを借りて着替えたのである。
 ツバの大きな麦わら帽子を深く被り、変装はばっちりだ。

「パトリック、ごきげんよう」

 犬小屋にしては大きなログハウスに入ると、パトリックは、中央に置かれたクッションにもたれてうとうとしていた。

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