【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
 レオンは自分をそんな風に思っていたのかと、衝撃だった。
 キャロルの一途なところが、犬っぽく見えたのかもしれない。

(ここでも収穫はありませんでしたわ)

 キャロルは、一しきり遊んで満足した様子のパトリックにリードをつけて、愛犬家たちと別れた。
 レオンの好きな人は見つけられなかったが、彼が人々を思いやっているエピソードを知れて、胸がほくほくと温かい。

「あなたのご主人はとっても良い方ね、パトリック。……パトリック?」

 パトリックは急に足を止めた。
 くんくんと鼻を動かしたかと思うと、急に脇道に入って走り出す。

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