【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
「ごめんなさい、パトリック。わたくし、もう動けないわ……」

 朦朧とする意識のなか、何とか腕を伸ばして、パトリックにつないだリードを外した。

「お腹が空いたでしょう。あなたはお利口だから、一人で王城へ帰れるわ。お行きなさい……」

 頭を撫でたが、パトリックは歩き出さなかった。クゥンと心配そうに喉を鳴らして、キャロルに寄り添うように体を伏せる。

「側に居てくれるの?」

 ワン! 鳴き声に合わせて、頭上の数字が+1された。

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