【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
「ありがとう……。ごめんなさいね。少し寝たら、また歩けるようになるはずだから……」
 
 そう言って、キャロルは目を閉じた。
 荒く呼吸を繰り返すキャロルを、パトリックは心配そうな目で見つめている。
 キャロルの指にはめた乳白色の指輪が、キラリと光った。


 ――ひづめの音がする。

 キャロルが目を開けると、辺りはすっかり夜だった。
 ブランケットに包まれて馬上に座らされていて、背を腕で支えられている。落ちないように抱きしめているのは、騎士服に身を包んだレオンである。

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