【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
「大好きです、レオン様……。わたくし、レオン様が世界中で一番、大好きなのです……」

 ぎゅっと力を込めると、レオンは馬を立ち止まらせて、両腕で抱き返してくれた。
 掛ける言葉はなかった。
 なくても、お互いを大切に思う気持ちが伝わってくるような、ふしぎな時間だった。

 やがて、レオンは「また熱があがってきたみたいだ」と体を離した。

「城に帰って休もう。眠っていなさい」
「はい」

 キャロルは、素直にレオンに体を預けた。
 王城に帰り着いたときには、すでに深夜を回っていた。

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