【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
 意識が朦朧とするなか、侍女によって体を拭き清められたキャロルは、ぐったりとベッドに横たわった。

 口から、はぁはぁと熱い息が漏れる。拭いてもらったばかりなのに、全身がしっとりと汗をかいていた。頬はリンゴのように真っ赤で、目は熱に潤む。

 レオンは、自らしぼった濡れ布を、キャロルのおでこにのせて言う。

「ここにいるよ。安心しておやすみ」
「はい……。ですが、そのまえに、薔薇をください。十二夜の薔薇を……」
「もらってくれるの?」

 レオンが四夜目の『信頼』を渡すと、キャロルはそれを胸元にかき抱いた。

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