【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
 テラスで向かい合って朝食をとりながら、たわいない話をする。
 平和で穏やかな空気が流れるこの時間がキャロルは好きだ。

 だが、今日のレオンはいつもと違った。
 エッグマフィンを半分も残して、小さなため息をついている。

「レオン様、具合がお悪いのですか。まさか、わたくしの風邪がうつってしまわれたのでは」
「体は元気だよ。少し気が塞いでいるだけ」
「それは大変ですわ。お仕事をお休みになって、休息をとられてはいかがでしょう?」
「キャロルが片時も離れずに側にいてくれるなら休むけど……。今日も、俺の好きな人探しをするんだろう?」
「はい……」

 後ろめたい気持ちを抱えて返事をすると、レオンは、ナフキンで口元をぬぐって立ち上がった。

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