【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
「キャロル。気持ちは見えないものだから疑ってしまうのかもしれないけれど、俺は君に王太子妃になってほしいと心から思っているよ。君以外の人間を妻にするなんて考えたこともない。たったの一度もね」

 キャロルに近づいたレオンは、前髪を指でよせて、おでこにチュッとキスを落とした。柔らかな感触に、キャロルは「ひゃ」と声をもらす。
 クスリと笑ったレオンは、腕のなかに閉じ込めるようにキャロルをかき抱いた。

「……君に信じてもらえるように、努力するから」

 か細いその声は、キャロルの胸をかき乱したのだった。


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