【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
   ◇◇◇


「レオン様を信じていないわけではないのです……」

 朝食の席でいわれた言葉が気になって、キャロルは考えごとをしながら廊下を歩いていた。テラスから自室は遠いので、思案する時間はたっぷりある。

「疑りぶかい女性だと思われてしまったのでしょうか。どうしましょう。レオン様に嫌われてしまったら、わたくし、もう生きてはおれませ――きゃっ」

 スカートにつまずいて転びそうになったところ、前方の女性に抱きかかえられた。

「まあ、ご親切にありがとうございます」

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