【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
「お兄様は、わたくしを心配してくださったのね」

 兄の思いやりに、キャロルは感動した。
 他人に「好き」と伝えた回数は三ケタどまりだが、良いところもないわけではない。

 でも……。
 キャロルは、タリアの頭上を見上げた。

 105,557。浮かんだ数字は、前より大分増えている。
 彼女から、たくさんの好きを与えられている相手は、夫であるマルヴォーリオだ。

「わたくしに仕えると、王城で暮らすことになるでしょう? マルヴォーリオと離れ離れになってしまうわ。二人とも、寂しくない?」

 可愛らしく小首を傾げられて、タリアはふふっと笑う。

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