【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
 レオンに導かれて、キャロルはダンスホールを抜けた。
 まっすぐ伸びる廊下には、等間隔で扉がある。招待客の控え室として、小部屋が連なっているのだ。

「ここだ」

 レオンは、三番目の扉をノックして、開けた。
 ステンドグラスやフリンジの傘をつけたランプが、いくつも灯っているだけの暗がりに、目がくらむ。

 盛り上がって見えた影に目を凝らすと、ダンスパーティーを抜け出した招待客が、一列に並んで順番を待っている。

 彼らのお目当ては、頭から薄いヴェールをかぶった、占い師だった。
 クセのある亜麻色の髪は床につくほど長く、手元にある大きな水晶玉と相まって、ミステリアスな雰囲気を漂わせている。

< 178 / 367 >

この作品をシェア

pagetop