【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
 自分の頭のうえを見上げたマルヴォーリオは、首を傾げる。

「何もありませんが」
「見えるのはわたくしだけのようですわ。わたくし、レオン様が今までの人生でどれだけ『好き』を口にしたか興味が湧いて、素知らぬふりをして逢いに行ったのです。そうしたら、」

 レオンの頭上に、燦然とかがやいていたのは『∞』。
 彼に、自分とは別の思い人がいると悟ったキャロルは、婚約破棄を申し出た。

「お嬢様が十二夜から逃げ回っていたのは、王太子殿下のお気持ちを尊重するためだったのですね。それを、殿下はご存じで?」
「言えませんでした。白状したら、レオン様に嫌われてしまうと思って……」
「左様でしたか」

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