【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
 キャロルが、レオンの幸せな結婚のために十二夜を拒否しておきながら、胸のうちで自分への恋心を焦がしていると思うと、たまらなく愛しくなる。
 だから、レオンは薔薇を贈りつづけるのだ。

 セバスティアンは、口をイモムシみたいに歪ませて唸った。

「そこまで見通しているのに説得しないとは。我が親友ながら、性格が悪い」
「自覚はしている。改める気はないけどね。俺が気になるのは、どうしてキャロルは『王太子には婚約者である自分とは別に愛している人がいる』と誤解してしまったのかだ。十二夜がはじまる前日に、何があったんだろう?」
「知らん。が、結婚前日から、急に、か……」

 考え込んだセバスティアンは、「あ」と気づいた。

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