【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
23 百万回の好きを貴方へ
シザーリオ公爵邸を出たキャロルは、フラフラした足どりで町を歩いていた。
夜通し歩いて、ようやく黒霧の森の近くまで来られたものの、ここまで体力がないとは思わなかった。
(はやく、はやく思い切ってしまわないと、レオン様が探しにいらっしゃるわ……)
屋敷を出る前に、『好き』と言った回数が見えると懺悔する手紙を、マルヴォーリオにたくしてきた。
あれを読んだら、いくらレオンでも怒るだろう。
キャロルに十二夜の薔薇を贈ろうとは、二度と思わないはずだ。
大好きな人に愛想を尽かされて、平然と生きていけるほど、キャロルは図太くない。
だから、こうして死に場所に向かっている。
どうして黒霧の森なのかというと、噛み木がいるからだ。
夜通し歩いて、ようやく黒霧の森の近くまで来られたものの、ここまで体力がないとは思わなかった。
(はやく、はやく思い切ってしまわないと、レオン様が探しにいらっしゃるわ……)
屋敷を出る前に、『好き』と言った回数が見えると懺悔する手紙を、マルヴォーリオにたくしてきた。
あれを読んだら、いくらレオンでも怒るだろう。
キャロルに十二夜の薔薇を贈ろうとは、二度と思わないはずだ。
大好きな人に愛想を尽かされて、平然と生きていけるほど、キャロルは図太くない。
だから、こうして死に場所に向かっている。
どうして黒霧の森なのかというと、噛み木がいるからだ。