【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
「殿下は、キャロル様が噛み木に噛まれたと知り、毎日この教会を訪ねてきては礼拝の列に並んで、祈りを捧げておられたのです。ここは、病気や怪我で苦しむ人やその家族のために、誰でも礼拝に参加できるように門を開いておりますので」

 レオンは、毒におかされたキャロルのため、城から離れたこの教会まで毎日のように足を延ばして、民草に混じり無事を祈ってくれていたのだという。

「レオン様が、わたくしのために、そんなことを……」
「それはもう熱心に祈っておられましたよ。当時の殿下はまだ子どもでしたが、快癒を願う文言もすぐに覚えておいででした。さらに、神に思いを届けるにはどうしたらいいかとお尋ねになったので、コツをお教えしましたわ」
「コツがあるのですか」
「ええ。上手くできる人も、できない人もいる方法ですが」

 懐かしそうに、シスターは教えてくれた。

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