【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
25 お互いにごめんなさい
顔をあげたキャロルの瞳は、じんわりと濡れていた。
「レオン様。わたくし、思い切れませんでした」
「思い切らなくていい。君が無事で、ほんとうに良かった」
抱きしめようと腕を回すと、すっと体が離れる。
彼女の方から拒否されるのはめずらしくて、レオンは目を見張った。うつむいたキャロルは、おずおずと口を開く。
「お聞きください。わたくし、人の頭上に浮かんだ『好き』と言った回数が見えるのです。今も、レオンさまの数が見えています。……ごめんなさい」
心からの謝罪を、レオンは黙って聞いている。
何を考えているのか、読みとるのが怖くて、顔を上げられない。
「レオン様。わたくし、思い切れませんでした」
「思い切らなくていい。君が無事で、ほんとうに良かった」
抱きしめようと腕を回すと、すっと体が離れる。
彼女の方から拒否されるのはめずらしくて、レオンは目を見張った。うつむいたキャロルは、おずおずと口を開く。
「お聞きください。わたくし、人の頭上に浮かんだ『好き』と言った回数が見えるのです。今も、レオンさまの数が見えています。……ごめんなさい」
心からの謝罪を、レオンは黙って聞いている。
何を考えているのか、読みとるのが怖くて、顔を上げられない。