【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
レオンは、わざと地図板を落とした。
角から地面にぶつかった薄い水晶は、ガシャンと音を立てて割れる。
「地図板が……!」
「いいんだ。もうこんなことは止める。卑怯な真似をしているかぎり、俺は君に相応しい王太子にはなれない」
レオンは、指先でキャロルの目尻を撫でて、丸くなった涙をぬぐった。
公爵邸を抜け出してから、黒霧の森に来るまでに、一しきり泣いたのだろう。肌が赤くなっていて、少し腫れぼったい。
「今なら、この卑劣な男から逃げられるよ。俺がいちばん好きな人を知らないままなら、君はなんの罪悪感をもたずに俺から離れられる。どうしたい?」
「わたくしは……レオンさまの、いちばんお好きな方を知りたいです。きちんと知った上で、レオンさまに愛されたいです」
角から地面にぶつかった薄い水晶は、ガシャンと音を立てて割れる。
「地図板が……!」
「いいんだ。もうこんなことは止める。卑怯な真似をしているかぎり、俺は君に相応しい王太子にはなれない」
レオンは、指先でキャロルの目尻を撫でて、丸くなった涙をぬぐった。
公爵邸を抜け出してから、黒霧の森に来るまでに、一しきり泣いたのだろう。肌が赤くなっていて、少し腫れぼったい。
「今なら、この卑劣な男から逃げられるよ。俺がいちばん好きな人を知らないままなら、君はなんの罪悪感をもたずに俺から離れられる。どうしたい?」
「わたくしは……レオンさまの、いちばんお好きな方を知りたいです。きちんと知った上で、レオンさまに愛されたいです」