【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
「そうなのです。城の鏡は古いものが多いので、しらみつぶしに当たっていけば、どこかで見えるかもと思ったのですが……」

 そこまで言って、キャロルは、はっとした。

「レオン様とのお茶を忘れておりました。今、何時ですか?」
「ちょうどお茶の時間だね。キャロルが珍しく先に来ていなかったから、探しに来たんだ。水筒とクッキーを持ってきたから、ここで一服しようね」

 レオンは、キャロルを噴水のふちに座らせると、そのとなりに腰かけ、バスケットのクッキーを食べさせた。

「たくさん歩いたので、いつにも増して美味しいですわ」
「それはよかった。十二夜が過ぎて落ち着いたら、パトリックを連れてピクニックでも行こうか」
「はい。楽しみです」

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