【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
 レオンに抱きしめられたまま階段を転がり落ちたキャロルは、冷たい床につくなりガバッと起き上がった。

「レオン様! ご無事ですか!!」
「……ああ、平気だ」

 倒れたランタンのか細い火に、かすかに照らされたレオン。その額から、一筋の赤い血が垂れるのを見て、キャロルは、さっと青ざめた。

「申し訳ございません、レオン様。わたくしのせいでお怪我を」

 大好きな人に怪我をおわせたショックで、目から熱い雫がこぼれおちる。
 ボロボロ涙をこぼすと、レオンが指でぬぐってくれた。

「このくらい何てことないよ。俺は少しも痛くない」
「そんなの嘘ですわ。だって、こんなに血が出ているのですもの」

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