【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
 キャロルは、にこやかに挙手して答えた。

「ドレスをくださった商人さんが、荷物がかさばって木箱が足りないとおっしゃっていたので、お礼に窃盗団の木箱を空にして使っていただくことにしましたの」

 木箱の影で着替えているとき、箱から漂ってくる匂いから中身が爆薬だと察したキャロルは、わざと「背中のボタンが閉められないから手伝って」と商人を呼んだ。
 そこで「ドレスのお礼にこの木箱を使ってください。中身は、船に持ち込んではならない爆薬なので、取り出して大丈夫です」と話したのだ。

「テメエ、いつの間にそんなことを……!」

 苛立ったニナの背後に、セーラー服を着た船員たちがゆらりと現われた。
 ボキボキと拳を鳴らし、ムキムキの上腕二頭筋をうならせている。

「窃盗団なんぞに、オレらの命である船を燃やさせてたまるかい!」
「ぎゃああ!」

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