【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
架け橋のたもとで、尻尾をフリフリ待っていたパトリックは、下りてきたキャロルに飛びついた。
「まあ! パトリック、あなたのおかげで助かりました。わたくしが王様だったら、あなたに勲章とお散歩用の広い土地を与えておりましてよ」
「ワン!」
顔を舐められて喜んでいるキャロルに、商人や労働者たちがおそるおそる近づく。
「王都の騎士が大急ぎで迎えに来るなんて。あんた、本当は何なんだい?」
キャロルは立ち上がり、ドレスをつまんで深くお辞儀した。
「申し遅れました。わたくしはキャロル・シザーリオと申します。シザーリオ公爵家の令嬢で、十六才になりました。趣味は田舎暮らしを空想すること、特技は人の顔と名前を覚えることです。窃盗団に誘拐されてトービー港に参りました。助けが来なかったら、船の上からボチャンと海に落とされる寸前でしたの」
「まあ! パトリック、あなたのおかげで助かりました。わたくしが王様だったら、あなたに勲章とお散歩用の広い土地を与えておりましてよ」
「ワン!」
顔を舐められて喜んでいるキャロルに、商人や労働者たちがおそるおそる近づく。
「王都の騎士が大急ぎで迎えに来るなんて。あんた、本当は何なんだい?」
キャロルは立ち上がり、ドレスをつまんで深くお辞儀した。
「申し遅れました。わたくしはキャロル・シザーリオと申します。シザーリオ公爵家の令嬢で、十六才になりました。趣味は田舎暮らしを空想すること、特技は人の顔と名前を覚えることです。窃盗団に誘拐されてトービー港に参りました。助けが来なかったら、船の上からボチャンと海に落とされる寸前でしたの」