【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
 国王に十二夜を再開したいと話したところ、前例がないと却下されてしまった。
 前例を見つければ認められると考えたレオンは、司書と手分けしてエイルティーク王国の歴史書を調べている。だが、調査は難航していた。

 十二夜が中止になって破断した結婚は数多くあれど、再開して結婚した王族はいない。
 たいていが別の相手と十二夜を挙げている。

 このまま前例が見つからなかったら、レオンはキャロルを諦めなければならないのか……。
 悩んでいたら、部屋に側近が入ってきた。

「レオン様、王妃殿下がお呼びです。たまには、一緒にお茶でも、と」
「……行こう」

 お茶はキャロルととるのが日常だったので、母親と対面するのは久しぶりだ。
 レオンが服装を整えて温室に行くと、白いクロスをかけたテーブルに王妃マライアが腰かけていた。
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