【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
 仕事の合間には、キャロルとお茶を飲んで、夕方までに執務を完璧に終える。残業はナンセンスだ。
 王太子として服装を整え、美しく召かしこんだキャロルと晩餐を共にし、軽くダンスを踊ったら、キャロルと手を取り合って自室に下がる。いっしょにお風呂に入って、彼女の会話を寝物語にして、寄り添って眠りにつく。
 寝ているふりをして、寝顔を眺めるのもいい。朝までは長いのだから。

 そこまで考えて、レオンはふむと考えなおした。

「二人きりの時間を味わうには、義兄がいない城の方がベストだね……。思う存分、いちゃいちゃできるし、キャロルに無理なおねだりをして困らせても怒られない」
「そうしてくれ。それと、正式に結婚式をあげるまで初夜は禁ずる」
「………………はい」
「その間はなんだーーー!!!!!」

 セバスティアンの怒号が聞こえたのか、パタタタと軽い足音がして、キャロルが顔をのぞかせた。

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