【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
 言葉にならない愛が、キャロルのなかには眠っている。
 これからの結婚生活で、その全部をレオンに伝えたい。死が二人を別つまでかかって、ようやく伝えきれるかどうかの大きな愛だけれど、きっと叶えてみせる。

 名残惜しそうに、レオンの唇が離れていく。
 ぽうっと熱に浮かされたキャロルは、甘くとろけたレオンの顔を見上げた。

「レオン様、わたくしからもお伝えしたいです」

 今度は、キャロルの方からレオンを引き寄せてキスをした。
 甘ったるいお菓子みたいな感傷が、二人の胸を満たしていく。

 時間も気にせず、ついばむようなキスを繰り返していたら、真後ろでクスクス笑いが起きた。

「王太子ご夫妻は、ほんとうに仲睦まじいですこと」
「シスター!」

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