【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
「さすが大ベテラン――って、そうではなくて! どうして寝ている隙を狙って、身支度させられなければならないのでしょう。わたくし、もう王太子妃候補ではございませんのに」
「それは……」

 侍女達が不安そうに視線を交わした。言いにくい事柄でもあるのだろうか。
 不思議に思っていると、隣室へつながる戸が開かれた。

「支度は終わったようだね」
「レオン様」

 王太子が現われたので、侍女達は頭を下げながら波のように退いた。
 レオンは、美しく装ったキャロルを見て、たまらず口元に手を当てた。

「なんて綺麗なんだ……」

< 38 / 367 >

この作品をシェア

pagetop