【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
「当たり前だろう。君が言っていた婚約破棄だけれど、王太子である俺からならまだしも、公爵令嬢である君の一存ではできない。だから、俺たちはまだ婚約者だ。俺と十二夜の結婚式典を挙げるのは、君以外にいない」
「ですが、それでは……」

 レオンは幸せになれないのではないか。
 頭のうえが『∞』になってしまうくらい好きを伝えた人と添えないなんて、悲劇でしかない。
 キャロルが困り果てていたところ、教会の鐘がゴーンと鳴ったので、はっとする。

 ついに、結婚式典をはじめる日になってしまった! 

 教皇が十二夜の開始を告げ、聖歌隊が清らかな歌声をひびかせる。
 レオンは、キャロルの右手を取ってその場にひざまずき、一輪の白薔薇を握らせた。

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