【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
(だから今回も、レオン様は遠慮していらっしゃるにちがいありませんわ)

 婚約者であるキャロルに責任をとるため。結婚式典を準備してくれた人々の期待を裏切らないため。そして、王太子の結婚に沸き立っている国民のため。
 期待に応える姿勢は立派だが、果たしてそこにレオンの幸せはあるのだろうか。

「騙して連れてきてごめんね、キャロル。でも信じてほしい。俺は、昔から君を幸せにすると決めて生きてきたんだ。今さら、結婚は止められないよ」
「――止めてみせますわ」

 キャロルは、白薔薇を胸にかき抱いて、レオンに微笑みかけた。

「わたくしが、レオン様の本当に『好き』な方を見つけ出して、十二夜の場へと連れてまいりますわ。本心から思い合う方がいらしたら、教皇様や国王陛下だって無視できずに、わたくしとの婚約破棄を認めてくださるはずです!」

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