【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
 できることなら、今すぐ走り出して往来にまぎれたかったが、甘いレオンの声には逆らえなかった。白馬に乗せられたキャロルは、後ろにまたがったレオンに片手で支えられながら道を行く。

 予定では、二輪目の薔薇を渡されるのは、今晩の十二時以降。それまでに何とかして、レオンに見つからない場所にいくのが、キャロルのミッションだ。
 
(ここは大人しく公爵家に帰り、身を隠すための計画を練り直しましょう)

 振動で落ちかけた紙袋をかかえ直したキャロルは、馬が公爵家の門を通り過ぎたので首を傾げた。

「??? レオン様、我が家はあちらですが」
「このまま王城に行こう。一休みするのに最適なソファを見つけたから、君に試してほしいんだ。ついでに、今日のお茶もいっしょにしたいな」
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