【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
 別にキャロルは、我がままで行方をくらまそうとしているのではない。
 十二夜を止めるため、ひいてはレオンの恋を成就させるためである。

「困りましたわ。公爵家には戻れないですし、他の土地への出奔は不可能。どこかに身を隠して、レオン様に薔薇を差し出されないようにする作戦は、中止せざるを得ません……」
「そうしなさい。キャロルがどこに行こうと見つけてみせるから、どのみち中止なんてあり得ない事だしね」
「分かりました。わたくし、次の作戦に出ますわ」

 キャロルは、紅茶を飲み干して立ち上がると、レオンの頭のうえの『∞』マークにびしりと一指し指を突き付けた。

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