【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
「公爵家のつながりで手に入れた御礼の品作戦もダメ……。どうしたら、皆さん口を割ってくださるのかしら」

 地下室を出たキャロルは、あてどなく廊下を歩いた。
 北向きの窓から見える庭に、伸びた城のかげが落ちている。

 もうじき、午後のお茶の時間だ。
 レオンが仕事を抜け出して来るだろうから、早めに部屋に戻らなければならない。

 ドレスを着替えたり髪や爪を整えたりと、王太子に向き合うための支度には、けっこうな時間がかかるのだ。

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