サクラが散る。恋が実る。
ある程度の家事を終わらせ、一段落ついた。
圭太「姉さん、今日何かあったの?」
桜「……え?」
キッチンでコーヒーの準備をしていた桜に圭太が問いかけた。
圭太「迎え行ったとき、眉がよってたから。」
……そんな、ささいなことに気づくのか。
桜「別に大したことじゃないよ。」
圭太「知りたい。」
一歩も引かぬ弟だった。弟は頑固で少し我が儘だった。
桜「圭太が来る少し前に一年が来たの。」
「その一年、私の顔見て、名前聞いて無言で帰っていったの」
圭太「………ふ~ん」
目を細めて考え込む圭太。
桜「まぁ、どうせ関わることはないから良いんだけどね。」