不本意な初夜でしたが、愛され懐妊妻になりました~エリート御曹司と育み婚~
「うーん、ちょっと……これは、もう一度経膣エコーで確認してみてもいいかな」
いよいよ夏の日差しが本格的に辛くなってきたある日の検診で、初めて先生が難しい顔をした。
「え、お腹の子に何かあったんですか?」
ベットの上で横になりながらエコーの様子を見ていた私は、突然のことに驚いて先生を振り返った。
「いや、お腹の子自体に何かあったというわけじゃないんだけど、ちょっと胎盤の位置が悪いかもしれない」
「胎盤の位置?」
「そう。前置胎盤といって、胎盤が子宮口に重なってしまっている状態のことを言うんだけど」
つまり、赤ちゃんの臍の緒が繋がっている胎盤……赤ちゃんと私の連絡機関になっている特別な臓器が、赤ちゃんが出てくる予定の子宮の出口を塞いでいるということだ。